
当施設(Molecular and Cell Processing Center:MCPC)はウイルスベクター製造ユニットを併せ持つGMP準拠の細胞調製センターとして2008年に九州大学病院に設置され、革新的な医療技術・医薬品の開発を推進して参りました。
細胞調製ユニット(2室)、ベクター調製ユニット(1室)、アイソレーターユニット(1室)を中心とする製造ユニットから構成され、細胞保存室には3基の大型液体窒素タンクならびに超低温フリーザー(-150℃)を配置し、専属の3000Lの外部液体窒素供給タンクを設置し連続監視自動供給による高品質な細胞保存がなされ、生体組織バンキングにも対応できるように設備されています。
すべての環境モニタリングは電子化され24時間体制で連続モニタリングを行い、緊急時対応に備えリモートモニタリング監視システムを強化させることにより万全な安定稼働を目指しています。
治験薬製造施設として製造工程から品質試験を経て出荷・保存に及ぶGMP体制での指図記録書作成は全て電子化にて運用され、試薬・製 造物の保管管理を含めて各工程の厳密なトレーサビリティー管理が担保されています。
当施設では全国でも数少ないGMP準拠の無菌管理品質試験ユニットを併せ持ち、日本薬局方準拠マイコプラズマ培養法をはじめとした各種品質試験を自施設で迅速かつ効率よく実施出来る体制を併せ持ちます。
当施設は早期臨床試験(治験:Phase I, Ⅱ)の推進を目指し、アカデミアの枠組みの中で行う細かいニーズにも対応でき、フレキシブルに利用して頂ける様に全力を尽くします。
これにより、小規模な臨床研究やUnmet MedicalNeeds(未だ有効な治療方法がない医療ニーズ)をも含めて、我が国の再生・細胞治療/遺伝子治療の現段階での問題点を明らかにし実用的応用に向けた基盤形成を加速させていきたいと考えています。
実験的医療技術から実用的先端医療技術医薬品としてその安全性、有効性が評価されつつある再生・細胞治療/遺伝子治療薬の実用的応用へ向けた最新知見の情報交換を通じて、現在の標準治療では克服できない難病への新たな治療戦略の未来像をここMCPCが支援します。